100円カレンダー
2009-12-01
先週、近所の100円ショップでカレンダーを買いました。1階と2階にひとつずつ、ということで2つ。まったく同じものだと面白くないので、予定がたくさんかけて、でもちょっとだけデザインが違うものを2つ。
家に帰って、ぶたこが来年の予定を埋めつつページをめくっていきます。
(^oo^;)「ありゃ」
と、めくっていく手が止まりました。
1月、2月、3月、4月ときて、次をめくるとなぜか8月。その次は6月、7月ときて、またまた8月。
8月が2回あるカレンダーなのでした。
いや・・・・これは確かに不良品。もう一方のカレンダーを確かめましたが、そちらは異常なし。
次の日、100円ショップに交換しにいきました。店のカウンターで、
(^oo^)「えっとね、1月でしょ、2月でしょ、で3月、4月で、ほおら! 8月がきてるんです」
店の人もちょっとびっくり。
わたくしは、同じ商品を売り場から持ってきました。これと交換してもらおう。
「念のために、中を確認させてください」
同じ会社の製品だから、ひょっとしたらひょっとするかも。工場で一括生産だろうから、全部の商品が乱丁(カレンダーでもこう言うのかなあ)になってる可能性もあるしね。
あ、このカレンダーはビニールの袋に入っていて、出して確かめることは(普通は)できないようになっているのです。でも交換するからにはね、袋から出してもらって確かめないと。
で、新しく持ってきたカレンダーをめくっていきます。
1月、2月、3月、4月、異常なし。次が問題の5月。ばっ、とめくると、ちゃんと5月が出てきました。
ああよかった。と思って5月をめくると。
また5月が出てきました。なんじゃそら。
で、その次に6月。めくっていくと、7月、8月・・・・と12月まで揃っていました。つまりは5月だけが2枚になっていたわけですな。
ま、これやったら、5月を一枚取ってしまえば使えるから、と納得して交換してもらいました。
久々に、とんでもない商品にでくわしましたわ。最近には珍しい。
家に帰って、ぶたこが来年の予定を埋めつつページをめくっていきます。
(^oo^;)「ありゃ」
と、めくっていく手が止まりました。
1月、2月、3月、4月ときて、次をめくるとなぜか8月。その次は6月、7月ときて、またまた8月。
8月が2回あるカレンダーなのでした。
いや・・・・これは確かに不良品。もう一方のカレンダーを確かめましたが、そちらは異常なし。
次の日、100円ショップに交換しにいきました。店のカウンターで、
(^oo^)「えっとね、1月でしょ、2月でしょ、で3月、4月で、ほおら! 8月がきてるんです」
店の人もちょっとびっくり。
わたくしは、同じ商品を売り場から持ってきました。これと交換してもらおう。
「念のために、中を確認させてください」
同じ会社の製品だから、ひょっとしたらひょっとするかも。工場で一括生産だろうから、全部の商品が乱丁(カレンダーでもこう言うのかなあ)になってる可能性もあるしね。
あ、このカレンダーはビニールの袋に入っていて、出して確かめることは(普通は)できないようになっているのです。でも交換するからにはね、袋から出してもらって確かめないと。
で、新しく持ってきたカレンダーをめくっていきます。
1月、2月、3月、4月、異常なし。次が問題の5月。ばっ、とめくると、ちゃんと5月が出てきました。
ああよかった。と思って5月をめくると。
また5月が出てきました。なんじゃそら。
で、その次に6月。めくっていくと、7月、8月・・・・と12月まで揃っていました。つまりは5月だけが2枚になっていたわけですな。
ま、これやったら、5月を一枚取ってしまえば使えるから、と納得して交換してもらいました。
久々に、とんでもない商品にでくわしましたわ。最近には珍しい。
シンボル・ツリー
2009-11-29
いつも利用している市立図書館には、大きなメタセコイアの木がある。というか、ありました。いや、今でも立ってるんですけどね。図書館のウェブサイトにも、「メタセコイアの木が目印です」と堂々と書かれているし。
ところが。
先週図書館に行ってみたら、気が途中で切られていたのです。枝も取り払われていて、ほとんど幹だけの状態。
まあ高さにしてビルの4階か5階ぐらいまでに達していたし、根っこのところは敷地から大きく張り出して、囲っていた枠を持ち上げて、隣りの駐車場の土台をも持ち上げていましたから、思ったより大きくなってやや迷惑な存在になりつつあったのだろうとは思いますが。
それにしてもね。
メタセコイアって、結構生命力が強いんですよね。生きている化石とも呼ばれているらしい(と、昔どこかの本で読んだ記憶があります)。だから、少々剪定されたぐらいでは枯れたりはしないんでしょうが。成長しても形もきれいで(円錐型のきれいな形でした)、シンボルツリーとしてふさわしい木だと思ってたんですけどね。ちょっと残念。
巷で増えて来だしたクリスマスツリーのイルミネーションを見ながら、残念さがさらにこみ上げてくるのでした。あれにイルミネーションをしたら、そらもう大変なことだったでしょうけど。
ところが。
先週図書館に行ってみたら、気が途中で切られていたのです。枝も取り払われていて、ほとんど幹だけの状態。
まあ高さにしてビルの4階か5階ぐらいまでに達していたし、根っこのところは敷地から大きく張り出して、囲っていた枠を持ち上げて、隣りの駐車場の土台をも持ち上げていましたから、思ったより大きくなってやや迷惑な存在になりつつあったのだろうとは思いますが。
それにしてもね。
メタセコイアって、結構生命力が強いんですよね。生きている化石とも呼ばれているらしい(と、昔どこかの本で読んだ記憶があります)。だから、少々剪定されたぐらいでは枯れたりはしないんでしょうが。成長しても形もきれいで(円錐型のきれいな形でした)、シンボルツリーとしてふさわしい木だと思ってたんですけどね。ちょっと残念。
巷で増えて来だしたクリスマスツリーのイルミネーションを見ながら、残念さがさらにこみ上げてくるのでした。あれにイルミネーションをしたら、そらもう大変なことだったでしょうけど。
ザ・マジックアワー
2009-11-28
野球もない毎日、フィギュアも今週はお休み。来週はいよいよGPファイナルなんやけど、ジュベールが欠場というニュースはいかにも残念。4回転勝負を見たかったのになあ。まあそれはオリンピックまでおあずけということかな。ジュベール対プルシェンコの4回転対決。それに高橋や織田がからめるか。それとは別に、GPファイナルも楽しみにしましょう。
ずっと前に録画して放ってあった、三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」をようやく見たのだ。いやあ面白かったなあ。これ、オールセットなんですよね、きっと。
ちょっとしたセリフとか場面転換とかに、三谷幸喜らしい意外性があって楽しめました。反面、何気ないやりとりとかは、いかにも演劇風で違和感があるところも。でも、それも含めてこの映画の色なのかもしれませんなあ。
つまりはこの映画、映画の世界をちょっと皮肉って描いていたりするけれど、それがそのままこの映画本編を皮肉ってたりして。なんていう、うがった見方までできるからね。
ちょい役で唐沢寿明とか中井貴一とか鈴木京香とかを使っていたり、市川昆監督までが出演していたりという、お遊びも盛り沢山。どこかワイルダーの「サンセット大通り」を思い起こさせるところもあって、ああ、ワイルダーびいきなんやなあというのがよく分かる。西田敏行がさしずめジャック・レモンといったところかも。ああ、納得。
でも、ちょっと盛り込みすぎかな。いや、楽しいんですけどね。これでシリアスなドラマを撮ったら、どうなるのかなあという興味はありますな。
ずっと前に録画して放ってあった、三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」をようやく見たのだ。いやあ面白かったなあ。これ、オールセットなんですよね、きっと。
ちょっとしたセリフとか場面転換とかに、三谷幸喜らしい意外性があって楽しめました。反面、何気ないやりとりとかは、いかにも演劇風で違和感があるところも。でも、それも含めてこの映画の色なのかもしれませんなあ。
つまりはこの映画、映画の世界をちょっと皮肉って描いていたりするけれど、それがそのままこの映画本編を皮肉ってたりして。なんていう、うがった見方までできるからね。
ちょい役で唐沢寿明とか中井貴一とか鈴木京香とかを使っていたり、市川昆監督までが出演していたりという、お遊びも盛り沢山。どこかワイルダーの「サンセット大通り」を思い起こさせるところもあって、ああ、ワイルダーびいきなんやなあというのがよく分かる。西田敏行がさしずめジャック・レモンといったところかも。ああ、納得。
でも、ちょっと盛り込みすぎかな。いや、楽しいんですけどね。これでシリアスなドラマを撮ったら、どうなるのかなあという興味はありますな。
私小説はゆっくりと
2009-11-25
天気予報では夜から雨です、と言っていたので油断していた。帰り道、駅を出たらもう雨。それも歩いているうちにかなり本降りになってしまった。とはいえ、多少濡れてもどおって事はないんですが。一張羅を着て歩いているわけでもなし。上着のジャンパーは、一日乾かせばまた明日も着ていく、というだらしのなさ。今年もこの上着一着で済ませてしまうのだろうなあ。
女流作家の(新旧の、と言ったら失礼かなあ)小説2冊。
津村記久子「八番筋カウンシル」(朝日新聞出版)。
カウンシルとは、まあ商店組合といったような意味。大阪の(多分。大阪弁やし)とある商店街「八番筋」の商店組合の話。近くの空き地にショッピングモールができるかも、という話がもちあがる。ではその土地の持ち主は誰か。それは近所づきあいのないミエばあさん。ミエばあさんのよりどころは、どうやら土岐田医院らしい。だったら土岐田医院に話を決めてもらおう。といって、どう決めてもらうのかで、もめるのである。
始めのうちはたあいのない、昔ながらの商店街の商店主と、たまたま店を構えることになった若者とのあつれきみたいな、世代間の対立みたいな、価値観の違いみたいな話かなあと思いつつ読んでいくと、過去に起こった騒動やら、町内会の嫌らしさやらがいろいろ出てきて、途中でやめられなくなってしまった。ちょっとしたサスペンスタッチのところもあって、とっても面白いです。大阪弁も自然に入っていて、読んでて違和感もない。
田辺聖子「感傷旅行(センチメンタルジャーニー)」文藝春秋。
芥川賞受賞作。男にだらしない(たぶん)主人公の女性(かなりな年)が、「党員」の男性に恋をする。それを見守る(見てるだけ、のつもりがいろいろからまれる)年下の男。これが仕事の同僚。いやあ、おもろい。今読んでもおもろい。昭和38年の作品ですか。その当時の政治状況とか、いろいろあるんでしょうなあ。図書館で借りたのは多分さいしょの単行本。ほかにも5編の短編小説がはいっている。それぞれ男と女の機微が、大阪弁に紛れて書かれてて、いい感じ。こうやって読むと、男と女の関係はいつの時代も変わりなく、ということが分かるねえ。って、そんなに分からないんだけど。
どちらの本も、一語一語が面白くて、ささっと読み流すことができなかった。時間をかけて読んでしまったよ。ほんとに面白い本っていうのはそういうものなのかもなあ。時間はかかるけど、かかった時間の分だけ楽しんだ気分。いい映画を見た時みたいにね。ひとつひとつのシーンが心に残る。
女流作家の(新旧の、と言ったら失礼かなあ)小説2冊。
津村記久子「八番筋カウンシル」(朝日新聞出版)。
カウンシルとは、まあ商店組合といったような意味。大阪の(多分。大阪弁やし)とある商店街「八番筋」の商店組合の話。近くの空き地にショッピングモールができるかも、という話がもちあがる。ではその土地の持ち主は誰か。それは近所づきあいのないミエばあさん。ミエばあさんのよりどころは、どうやら土岐田医院らしい。だったら土岐田医院に話を決めてもらおう。といって、どう決めてもらうのかで、もめるのである。
始めのうちはたあいのない、昔ながらの商店街の商店主と、たまたま店を構えることになった若者とのあつれきみたいな、世代間の対立みたいな、価値観の違いみたいな話かなあと思いつつ読んでいくと、過去に起こった騒動やら、町内会の嫌らしさやらがいろいろ出てきて、途中でやめられなくなってしまった。ちょっとしたサスペンスタッチのところもあって、とっても面白いです。大阪弁も自然に入っていて、読んでて違和感もない。
田辺聖子「感傷旅行(センチメンタルジャーニー)」文藝春秋。
芥川賞受賞作。男にだらしない(たぶん)主人公の女性(かなりな年)が、「党員」の男性に恋をする。それを見守る(見てるだけ、のつもりがいろいろからまれる)年下の男。これが仕事の同僚。いやあ、おもろい。今読んでもおもろい。昭和38年の作品ですか。その当時の政治状況とか、いろいろあるんでしょうなあ。図書館で借りたのは多分さいしょの単行本。ほかにも5編の短編小説がはいっている。それぞれ男と女の機微が、大阪弁に紛れて書かれてて、いい感じ。こうやって読むと、男と女の関係はいつの時代も変わりなく、ということが分かるねえ。って、そんなに分からないんだけど。
どちらの本も、一語一語が面白くて、ささっと読み流すことができなかった。時間をかけて読んでしまったよ。ほんとに面白い本っていうのはそういうものなのかもなあ。時間はかかるけど、かかった時間の分だけ楽しんだ気分。いい映画を見た時みたいにね。ひとつひとつのシーンが心に残る。
フィギュアスケートGPシリーズ カナダ大会
2009-11-22
まだアイスダンスが終わってないんですが、どうせ地上波での放送はないわけやし。男女シングルとペアはファイナル進出選手が決まったし。そういうわけで、高橋選手、鈴木選手、おめでとうございます。
高橋選手。SPでは思ったほど点が伸びなかったですね。ミスなくすべっても点はでないのか。少々のミスがあっても、何かアピールする方がいいのか。ちょっと考えてしまった大会でした。ステップのレベルが低いのが気になったなあ。悪くない出来、というのでは点は出ない、となるとやっぱり4回転、ということになるんでしょうか。
今日放送のあったフリーでは、4回転に挑むか、と思ったんですけどね。いや、挑んだけど、失敗しそうになったんで3回転に、ということだったんでしょう。飛び上がった時の勢いは4回転のものやったしね。で、ジャンプの精度があんまり良くなくて、そのわりには点数はよく出てフリーでは1位。さすがかなあ。このプログラム「道」は、とっても好きです。ほかの選手の演技とはまったく違う印象。ひとりだけ、ドラマを演じてますね。それがとても感動的。音楽の盛り上がり、メリハリ。最近のフリーはクラシックなんかの大曲を持ってきて、堂々と滑るのが流行ってるみたいに思えるんやけど、その中にあってこのプログラムは魅力的。まあ、他の人が真似してもあかんでしょうけど。
1位になったアボット。僕はSPの方が好きかなあ。アボットに合ってるような気がするんですけどねえ。できればSPとフリーの曲を入れ替えて欲しい、なんてしょうもないことを考えてしまいます。フリーは、NHK杯の時ももうひとつやったなあ。今日はそれに比べるとずっとよかったけど、それでも何かが違う。何かはよくわからんけど。クラシックに見えないからかなあ。それか、あまりにもSPのギターがぴったりはまりすぎてて、ほかの曲だと違和感を感じてしまうのか。となると、ちょっとかわいそう。
女子です。鈴木選手。緊張してたんでしょうねえ。細かいミス連発。それでも5位に入れたのは、ほかの選手もミスが多かったからってことかな。どの選手も条件は一緒やから、運が良かったなどとは言わないでおきましょう。ファイナルでの演技に期待してます。なんといっても、滑りのきれいさ、流れの良さはすばらしいのですから。
ロシェット。やりましたねえ。とはいっても、フリーを見る限り、まだまだ本調子ではないようですね。本調子になったら、ひょっとしたらオリンピックで・・・・ということも考えられるかな。
テレ朝の放送はいつもどおり。高橋選手の演技を何回も流すのはどうなんですか。しかも3回目はダイジェスト。まったく何を考えているのやら。そんな時間があるんだったら、ペアとかアイスダンスとかの入賞者の演技が見たいであるよ。まあ、もう慣れっこになってしまったけどね。
高橋選手。SPでは思ったほど点が伸びなかったですね。ミスなくすべっても点はでないのか。少々のミスがあっても、何かアピールする方がいいのか。ちょっと考えてしまった大会でした。ステップのレベルが低いのが気になったなあ。悪くない出来、というのでは点は出ない、となるとやっぱり4回転、ということになるんでしょうか。
今日放送のあったフリーでは、4回転に挑むか、と思ったんですけどね。いや、挑んだけど、失敗しそうになったんで3回転に、ということだったんでしょう。飛び上がった時の勢いは4回転のものやったしね。で、ジャンプの精度があんまり良くなくて、そのわりには点数はよく出てフリーでは1位。さすがかなあ。このプログラム「道」は、とっても好きです。ほかの選手の演技とはまったく違う印象。ひとりだけ、ドラマを演じてますね。それがとても感動的。音楽の盛り上がり、メリハリ。最近のフリーはクラシックなんかの大曲を持ってきて、堂々と滑るのが流行ってるみたいに思えるんやけど、その中にあってこのプログラムは魅力的。まあ、他の人が真似してもあかんでしょうけど。
1位になったアボット。僕はSPの方が好きかなあ。アボットに合ってるような気がするんですけどねえ。できればSPとフリーの曲を入れ替えて欲しい、なんてしょうもないことを考えてしまいます。フリーは、NHK杯の時ももうひとつやったなあ。今日はそれに比べるとずっとよかったけど、それでも何かが違う。何かはよくわからんけど。クラシックに見えないからかなあ。それか、あまりにもSPのギターがぴったりはまりすぎてて、ほかの曲だと違和感を感じてしまうのか。となると、ちょっとかわいそう。
女子です。鈴木選手。緊張してたんでしょうねえ。細かいミス連発。それでも5位に入れたのは、ほかの選手もミスが多かったからってことかな。どの選手も条件は一緒やから、運が良かったなどとは言わないでおきましょう。ファイナルでの演技に期待してます。なんといっても、滑りのきれいさ、流れの良さはすばらしいのですから。
ロシェット。やりましたねえ。とはいっても、フリーを見る限り、まだまだ本調子ではないようですね。本調子になったら、ひょっとしたらオリンピックで・・・・ということも考えられるかな。
テレ朝の放送はいつもどおり。高橋選手の演技を何回も流すのはどうなんですか。しかも3回目はダイジェスト。まったく何を考えているのやら。そんな時間があるんだったら、ペアとかアイスダンスとかの入賞者の演技が見たいであるよ。まあ、もう慣れっこになってしまったけどね。
最近読んだ本
2009-11-21
「8つの物語」フィリッパ・ピアス(片岡しのぶ訳・あすなろ書房)
「思い出の子供たち」という副題がついてます。子供のころのちょっとした話。そこには悲しいこと怖ろしいこと、そしてちょっとだけ嬉しかったことなんかが混ざっている。それはよくあることなんだけど、それをここまで淡々と、そして感動的にかけるのはさすがピアスかなあ。あ、ピアスといえば「トムは真夜中の庭で」で1958年のカーネギー賞を取った作家なんですね。もうずっと昔の人というイメージがあったんやけど、この短編集は1980年代から2000年にかけてのもの。短い話ばっかりなんだけど、そして大きな事件が起こるわけではないのに、心に残ります。それは子供のころが誰にでもあるから、そして大きな事件でなくても心に残っていることが誰にでもあるから、なんでしょう。そこに共感してしまうのですね。
「どこから行っても遠い町」川上弘美(新潮社)
川上弘美、2冊目かな。ある町に視点を置いた短編集。そこに住んでいる人たちがひとり一話ずつ物語をつくる、という形。だから同じ人物がそれぞれの作品に登場して、いろんな役割を担っている。あれ?と思う人が、あるいは物語にちょっとしか出てこずに、でもなんとなく印象に残った人が、その次の話で中心になっている、なんてことがあって、続けて読むととてもおもしろい。
そして、最後の一編は、わたくし好きですね。この一編に象徴されるように、すべての物語にどこかはかなさが漂っています。その雰囲気もとてもいいなあ。川上弘美にはまる人がいるのが、分かる気がする。
「お元気ですか」新井素子(廣済堂出版)
2004年に出版された、SF作家新井素子のエッセイ。素子口調は健在。そのユーモア感覚も健在。同世代なので、どこか親近感を感じてしまいます。だからついつい、「正座が一番疲れない、と思う」なんて書かれると、そうなのかなあと正座に挑戦したりするし、「父の蔵書を、整理しています」というのを読むと、おしっじゃあうちも蔵書整理を、などと思ってしまう(してないけど)。囲碁にはまるかどうかは未定。
ま、冷静に読めば、ファン以外の人にはどおってこともないエッセイだとは思いますが。
「かかしと召し使い」フィリップ・プルマン(金原瑞人訳・理論社)
題名と表紙の絵に惹かれて借りてきたんですけどね。プルマンって「黄金の羅針盤」の作者だったんですね。知らんかった。
農家のおじいさんの作ったかかしが、雷に打たれて命を吹き込まれ、たまたま通りかかった少年ジャックを召し使いとして冒険の旅に出る。なんか「スケアクロウマン」にも似てるなあ、なんて思いつつ読んだんですけど、もう面白くってたまりませんでした。
かかしはとにかく世間知らずで、しかし正義感はあって、とんちんかんな行動ばっかりするんだけど、そこを召し使いのジャックが機転を効かせて乗り越えていく。そしてついに目的地、スプリングバレーにたどり着いて・・・・。と、まあそんなところなんだけど、この二人(と言っていいのか)のやりとりが抜群におかしい。とんちんかんを通り越して、はちゃめちゃな行動に出る(それが一本筋が通っていたりするのだが)かかしを、言葉たくみに助けようとするジャック。話のテンポもいい。さらに戦争の悲惨さや横暴な権力への皮肉もたっぷりで、爽快。「黄金の羅針盤」より、こちらを映画にすればよかったのに。
読んだ本の感想は、忘れないうちに書くようにしよう。実は「8つの物語」のひとつひとつは、詳細には思い出せないのです。とほほ。ま、読んでいる間だけが楽しくても、読書は読書。楽しみのために読んでもいいのです。いや、楽しむためにこそ読もう。
「思い出の子供たち」という副題がついてます。子供のころのちょっとした話。そこには悲しいこと怖ろしいこと、そしてちょっとだけ嬉しかったことなんかが混ざっている。それはよくあることなんだけど、それをここまで淡々と、そして感動的にかけるのはさすがピアスかなあ。あ、ピアスといえば「トムは真夜中の庭で」で1958年のカーネギー賞を取った作家なんですね。もうずっと昔の人というイメージがあったんやけど、この短編集は1980年代から2000年にかけてのもの。短い話ばっかりなんだけど、そして大きな事件が起こるわけではないのに、心に残ります。それは子供のころが誰にでもあるから、そして大きな事件でなくても心に残っていることが誰にでもあるから、なんでしょう。そこに共感してしまうのですね。
「どこから行っても遠い町」川上弘美(新潮社)
川上弘美、2冊目かな。ある町に視点を置いた短編集。そこに住んでいる人たちがひとり一話ずつ物語をつくる、という形。だから同じ人物がそれぞれの作品に登場して、いろんな役割を担っている。あれ?と思う人が、あるいは物語にちょっとしか出てこずに、でもなんとなく印象に残った人が、その次の話で中心になっている、なんてことがあって、続けて読むととてもおもしろい。
そして、最後の一編は、わたくし好きですね。この一編に象徴されるように、すべての物語にどこかはかなさが漂っています。その雰囲気もとてもいいなあ。川上弘美にはまる人がいるのが、分かる気がする。
「お元気ですか」新井素子(廣済堂出版)
2004年に出版された、SF作家新井素子のエッセイ。素子口調は健在。そのユーモア感覚も健在。同世代なので、どこか親近感を感じてしまいます。だからついつい、「正座が一番疲れない、と思う」なんて書かれると、そうなのかなあと正座に挑戦したりするし、「父の蔵書を、整理しています」というのを読むと、おしっじゃあうちも蔵書整理を、などと思ってしまう(してないけど)。囲碁にはまるかどうかは未定。
ま、冷静に読めば、ファン以外の人にはどおってこともないエッセイだとは思いますが。
「かかしと召し使い」フィリップ・プルマン(金原瑞人訳・理論社)
題名と表紙の絵に惹かれて借りてきたんですけどね。プルマンって「黄金の羅針盤」の作者だったんですね。知らんかった。
農家のおじいさんの作ったかかしが、雷に打たれて命を吹き込まれ、たまたま通りかかった少年ジャックを召し使いとして冒険の旅に出る。なんか「スケアクロウマン」にも似てるなあ、なんて思いつつ読んだんですけど、もう面白くってたまりませんでした。
かかしはとにかく世間知らずで、しかし正義感はあって、とんちんかんな行動ばっかりするんだけど、そこを召し使いのジャックが機転を効かせて乗り越えていく。そしてついに目的地、スプリングバレーにたどり着いて・・・・。と、まあそんなところなんだけど、この二人(と言っていいのか)のやりとりが抜群におかしい。とんちんかんを通り越して、はちゃめちゃな行動に出る(それが一本筋が通っていたりするのだが)かかしを、言葉たくみに助けようとするジャック。話のテンポもいい。さらに戦争の悲惨さや横暴な権力への皮肉もたっぷりで、爽快。「黄金の羅針盤」より、こちらを映画にすればよかったのに。
読んだ本の感想は、忘れないうちに書くようにしよう。実は「8つの物語」のひとつひとつは、詳細には思い出せないのです。とほほ。ま、読んでいる間だけが楽しくても、読書は読書。楽しみのために読んでもいいのです。いや、楽しむためにこそ読もう。
フィギュアスケートGPシリーズ アメリカ大会
2009-11-18
そりゃあもう期待しましたよ。キムヨナの世界最高得点。SPがあんなに完璧やってんから、フリーはどうなるのと思いましたしね。
しかし、キムヨナもやはり人の子だったのですね。最初の3−3でバランスを崩して、続くジャンプでは珍しく転倒。最初の3−3を失敗した時の背中の表情が、とても落胆していて「あーあ」という声が聞こえてきそうでした。安藤が集中力をなくした時の状態に似ていたなあ。ひとつぐらいジャンプを失敗しても、なんということなくあとの演技で立て直すことができる選手やと思ってたんですけどね。フランス杯がそうやったし。でも今回はそうはいかなかったようですな。SPが良すぎたか。そう思うと、人間の心理の面白さというか、心理面がそのまま出てしまうスポーツの面白さというか、そういうのが見られてとてもよかったと思います。まあ、本人はものすごく落ち込んでいるとか、嫌気がさしているとか、目の前が真っ暗になっているとかいうことはなく、逆に今回の失敗を糧にしたいようなので、次の演技が楽しみですね。GPファイナルですな。日本ですな。
レイチェル・フラット。ううむ。確かにフリーはノーミスで、ジャンプも素晴らしかったけど。なにかが足りないような気がする。演技力かなあ。なんとなくね、面白みが少ないんですよね、残念だけど。ジャンプがうまく飛べても、そこから見ている方がぐんぐん引き込まれる、という風にならないんですね。僕だけかなあ。
シェベスチェンも同様。ジャンプが決まっても、「はあ、そうですか」という感覚にしかならない。あとのつなぎがよくないのかなあ。降りてからの姿勢とか流れとかかなあ。
そういうわけで、フリーだけ見ると、ま、こんなレベルかなあというところに落ち着いてしまいましたね。ファイナルになったら、もっと見応えのある演技が次々に見られるのかな。どの選手の滑りも、そろそろ仕上がってくるしね。
さて男子なんですけど。優勝したライサチェクはおいといて、2位のショーン・ソイヤーに注目ですな。何といってもあの身体の柔らかさ。女子ちゃうん、と思うくらいの足の上がり方。プルシェンコがビールマンスピンをした時と同じくらいか、それ以上にびっくりしたよ。男子にスパイラルのないのが残念なくらい。若いのかなと思ったら、もう24歳なのですね。バトルのあとをつげるか。ちょっと無理かな。
カナダにはこのほかにも、2種類の4回転を飛べるレイノルズとかいう子もいてる。今回は画面に出てこなくて残念。
あ、そういえば、ライサチェクは4回転は飛ばなかったんだねえ。ファイナルでは挑戦してくれるかな。してくれるでしょう。でないと勝てないから。少なくとも、オリンピックでは必須のような気がしてきています。
テレ朝のフィギュアのオープニングは、相変わらず浅田真央でした。前の中国杯の時はちょっと複雑な気分で見ていましたが、今回は(時間が経ったせいか)落ち着いた気持ちで見れました。GPファイナルの進出が絶望的になっても、やっぱり日本のフィギュア界のスターは浅田選手でしょうしね。
日本人選手が、女子では村主、男子では南里しか出場していないせいもあって(きっとそのせい)、放送は日・月にそれぞれ1時間ずつ。余計なスタジオトークとかがない分、集中して楽しめました。
しかし、キムヨナもやはり人の子だったのですね。最初の3−3でバランスを崩して、続くジャンプでは珍しく転倒。最初の3−3を失敗した時の背中の表情が、とても落胆していて「あーあ」という声が聞こえてきそうでした。安藤が集中力をなくした時の状態に似ていたなあ。ひとつぐらいジャンプを失敗しても、なんということなくあとの演技で立て直すことができる選手やと思ってたんですけどね。フランス杯がそうやったし。でも今回はそうはいかなかったようですな。SPが良すぎたか。そう思うと、人間の心理の面白さというか、心理面がそのまま出てしまうスポーツの面白さというか、そういうのが見られてとてもよかったと思います。まあ、本人はものすごく落ち込んでいるとか、嫌気がさしているとか、目の前が真っ暗になっているとかいうことはなく、逆に今回の失敗を糧にしたいようなので、次の演技が楽しみですね。GPファイナルですな。日本ですな。
レイチェル・フラット。ううむ。確かにフリーはノーミスで、ジャンプも素晴らしかったけど。なにかが足りないような気がする。演技力かなあ。なんとなくね、面白みが少ないんですよね、残念だけど。ジャンプがうまく飛べても、そこから見ている方がぐんぐん引き込まれる、という風にならないんですね。僕だけかなあ。
シェベスチェンも同様。ジャンプが決まっても、「はあ、そうですか」という感覚にしかならない。あとのつなぎがよくないのかなあ。降りてからの姿勢とか流れとかかなあ。
そういうわけで、フリーだけ見ると、ま、こんなレベルかなあというところに落ち着いてしまいましたね。ファイナルになったら、もっと見応えのある演技が次々に見られるのかな。どの選手の滑りも、そろそろ仕上がってくるしね。
さて男子なんですけど。優勝したライサチェクはおいといて、2位のショーン・ソイヤーに注目ですな。何といってもあの身体の柔らかさ。女子ちゃうん、と思うくらいの足の上がり方。プルシェンコがビールマンスピンをした時と同じくらいか、それ以上にびっくりしたよ。男子にスパイラルのないのが残念なくらい。若いのかなと思ったら、もう24歳なのですね。バトルのあとをつげるか。ちょっと無理かな。
カナダにはこのほかにも、2種類の4回転を飛べるレイノルズとかいう子もいてる。今回は画面に出てこなくて残念。
あ、そういえば、ライサチェクは4回転は飛ばなかったんだねえ。ファイナルでは挑戦してくれるかな。してくれるでしょう。でないと勝てないから。少なくとも、オリンピックでは必須のような気がしてきています。
テレ朝のフィギュアのオープニングは、相変わらず浅田真央でした。前の中国杯の時はちょっと複雑な気分で見ていましたが、今回は(時間が経ったせいか)落ち着いた気持ちで見れました。GPファイナルの進出が絶望的になっても、やっぱり日本のフィギュア界のスターは浅田選手でしょうしね。
日本人選手が、女子では村主、男子では南里しか出場していないせいもあって(きっとそのせい)、放送は日・月にそれぞれ1時間ずつ。余計なスタジオトークとかがない分、集中して楽しめました。
最近読んだ本
2009-11-13
しばらく本の話を書いていない間に、読み終わった本がいっぱい。さてどうする。自分のための読書データとしても書いておくべきか。
「洋梨形の男 (奇想コレクション)」ジョージ・R・R・マーティン(中村融訳:河出書房新社)
知らない作家だったけど、SF界では有名らしい。特に長編もので人気があるらしいんだけど。これはSFものもあるけれど、ホラーものを含んだちょっと長めの短編集。いやあ、なんともグロテスクかつ面白い。引っ越してきたアパートの地下に住む、奇妙な男の存在に翻弄される女性イラストレーターを描いた表題作(結末は・・・ホラーです)も面白いけど、一番好きなのは「子供たちの肖像」かなあ。物語が何重にも重なっていく面白さ。最後まで読んで「えっ?」と思って、初めの方を読み返してしまったよ。「モンキー療法」のグロテスクさはスティーブン・キングなみ。そして「成立しないヴァリエーション」では、なんだか勇気と希望をもらった気分。
「ル・コルビュジエの勇気ある住宅」安藤忠雄(新潮社)
僕は安藤忠雄さんは好きであったり嫌いであったりするんだけど、この本はちょっと感銘を受けたかも。そしてなぜ時に安藤さんを好きになったり嫌いなったりするのかという理由がちょっとわかったかも。完全じゃなく、ときどき失敗もする。失敗もする勇気がいるんだろうなあ。つまりは勇気、なんですね。で、読み終わると嫌いな部分が減っている。あ、本の内容はもちろん、ル・コルビュジエの話ですよ。その生涯の伝記みたいな。
「おはなしは気球にのって」ラインハルト・ユング(若松宣子訳・早川書房)
はい、児童書です。体の不自由なバンベルトは、ずっと家にこもってお話をつづっていました。ある日自分の書いた10の物語を風船につけて飛ばします。地名と人名は空白にして。そして「拾った方は、ここに地名と人名を書き入れてください」と書いて。すると何日か経って、返事が返ってきて、物語はひとつずつ完成していくのでした。ひとつひとつの物語がもっと面白ければなあ、と残念。それと、この挿絵はどうにも内容と合ってないような気がするんですけど。原本どおりだそうで。へえ。
「姫君」山田詠美(文藝春秋)
あんまり覚えてない。すみません。尖った文章を期待してたのに、そうでもなかったなあという印象が残ってます。
「文学問答」河野多恵子・山田詠美(文藝春秋)
どうして「姫君」を読もうと思ったかというと、この対談集の最初に「姫君」の話が載ってたからで、それじゃあこれを読む前に読んでおかないとと思ったわけです。で、これは女性初の芥川賞選考委員になった河野多恵子と、現芥川賞選考委員の山田詠美との対談。ふたりともニューヨークで暮らしたことがあるという共通点もあって、まあ仲がいいんでしょうねえ。話は弾んでます。ただ、ふたりとも自意識が強くてね。まあ自意識が強くなけりゃあ作家なんか務まらないでしょうけど、ずっと読んでると、どこかのバーかクラブの、社長さんどおしの会話を聴いてるような気分になります。あ、それって「文壇」をよく取り上げているからか。僕、山田詠美は文壇に対して興味がないか、距離を置いているんだと勝手に思ってましたけど、どっぷり浸かってるんですね。芥川賞を受賞するとそうなるのかなあ。有名な作家先生と一緒に飲みにいっただとか、こんな話をしてもらっただとか。嬉しそうに話してるんだけど、残念だけどぼくの趣味の範囲外。人付き合いはめんどくさいと思っている人は(特に酒の席が苦手な人は)、どうぞご遠慮ください。
「人生を歩け!」町田康・いしいしんじ(毎日新聞社)
同じ対談でも、こうも違うものなんですね。こちらは町田康といしいしんじが、ぶらぶらと町を(成増、武蔵関、上石神井、浅草、三崎)歩きながら、あれこれと話をするんです。とくにテーマも決まってないみたいで、その時その時で話はいろんな方向に行くんだけれど、それが飽きないんですね。男二人のうだうだ話。そこにときどき作家としての視点、創作のヒントみたいなのもぽろっと出てきていて、それが日常の続きの話で出てくるのが面白い。
結構読んだなあ。なにしろ夜はひまですからね、基本的に。野球がないとこうなるのか。楽しい世界はどんどん広がる。
でも、忘れないうちに書いておくべきかなあ。「姫君」みたいに、読んでる時は楽しんでたのに、すっかり内容を忘れてるもんなあ。それでもう一回読んだりして、なんてことが起こるかもしれないしね。
「洋梨形の男 (奇想コレクション)」ジョージ・R・R・マーティン(中村融訳:河出書房新社)
知らない作家だったけど、SF界では有名らしい。特に長編もので人気があるらしいんだけど。これはSFものもあるけれど、ホラーものを含んだちょっと長めの短編集。いやあ、なんともグロテスクかつ面白い。引っ越してきたアパートの地下に住む、奇妙な男の存在に翻弄される女性イラストレーターを描いた表題作(結末は・・・ホラーです)も面白いけど、一番好きなのは「子供たちの肖像」かなあ。物語が何重にも重なっていく面白さ。最後まで読んで「えっ?」と思って、初めの方を読み返してしまったよ。「モンキー療法」のグロテスクさはスティーブン・キングなみ。そして「成立しないヴァリエーション」では、なんだか勇気と希望をもらった気分。
「ル・コルビュジエの勇気ある住宅」安藤忠雄(新潮社)
僕は安藤忠雄さんは好きであったり嫌いであったりするんだけど、この本はちょっと感銘を受けたかも。そしてなぜ時に安藤さんを好きになったり嫌いなったりするのかという理由がちょっとわかったかも。完全じゃなく、ときどき失敗もする。失敗もする勇気がいるんだろうなあ。つまりは勇気、なんですね。で、読み終わると嫌いな部分が減っている。あ、本の内容はもちろん、ル・コルビュジエの話ですよ。その生涯の伝記みたいな。
「おはなしは気球にのって」ラインハルト・ユング(若松宣子訳・早川書房)
はい、児童書です。体の不自由なバンベルトは、ずっと家にこもってお話をつづっていました。ある日自分の書いた10の物語を風船につけて飛ばします。地名と人名は空白にして。そして「拾った方は、ここに地名と人名を書き入れてください」と書いて。すると何日か経って、返事が返ってきて、物語はひとつずつ完成していくのでした。ひとつひとつの物語がもっと面白ければなあ、と残念。それと、この挿絵はどうにも内容と合ってないような気がするんですけど。原本どおりだそうで。へえ。
「姫君」山田詠美(文藝春秋)
あんまり覚えてない。すみません。尖った文章を期待してたのに、そうでもなかったなあという印象が残ってます。
「文学問答」河野多恵子・山田詠美(文藝春秋)
どうして「姫君」を読もうと思ったかというと、この対談集の最初に「姫君」の話が載ってたからで、それじゃあこれを読む前に読んでおかないとと思ったわけです。で、これは女性初の芥川賞選考委員になった河野多恵子と、現芥川賞選考委員の山田詠美との対談。ふたりともニューヨークで暮らしたことがあるという共通点もあって、まあ仲がいいんでしょうねえ。話は弾んでます。ただ、ふたりとも自意識が強くてね。まあ自意識が強くなけりゃあ作家なんか務まらないでしょうけど、ずっと読んでると、どこかのバーかクラブの、社長さんどおしの会話を聴いてるような気分になります。あ、それって「文壇」をよく取り上げているからか。僕、山田詠美は文壇に対して興味がないか、距離を置いているんだと勝手に思ってましたけど、どっぷり浸かってるんですね。芥川賞を受賞するとそうなるのかなあ。有名な作家先生と一緒に飲みにいっただとか、こんな話をしてもらっただとか。嬉しそうに話してるんだけど、残念だけどぼくの趣味の範囲外。人付き合いはめんどくさいと思っている人は(特に酒の席が苦手な人は)、どうぞご遠慮ください。
「人生を歩け!」町田康・いしいしんじ(毎日新聞社)
同じ対談でも、こうも違うものなんですね。こちらは町田康といしいしんじが、ぶらぶらと町を(成増、武蔵関、上石神井、浅草、三崎)歩きながら、あれこれと話をするんです。とくにテーマも決まってないみたいで、その時その時で話はいろんな方向に行くんだけれど、それが飽きないんですね。男二人のうだうだ話。そこにときどき作家としての視点、創作のヒントみたいなのもぽろっと出てきていて、それが日常の続きの話で出てくるのが面白い。
結構読んだなあ。なにしろ夜はひまですからね、基本的に。野球がないとこうなるのか。楽しい世界はどんどん広がる。
でも、忘れないうちに書いておくべきかなあ。「姫君」みたいに、読んでる時は楽しんでたのに、すっかり内容を忘れてるもんなあ。それでもう一回読んだりして、なんてことが起こるかもしれないしね。