とうとう読みましたよ。ヴァージニア・ウルフ。
映画「めぐりあう時間たち」を観て以来、一度は読んでみたくってね。しかしどうも難解なようで。ちょっとだけ「ダロウェイ夫人」を読んだことがあってんけど、難しかったなあ。途中で投げ出してしもたんやったな。図書館の貸し出し期限も切れたしで。

さて、このお話。保養地でのある1日と10年後のある1日のお話です。で、話の筋は・・・何といったらいいのかねえ(^◎^;)。ある家族とその周りに居る人たちの、それぞれのモノローグが折り重なっていくような、そんなお話で。お話とはいえんか。
それぞれの人たちの思いとか言葉とかが重なっていくんですよね。その重なり具合が、読みようによっては面白いんですね。はい、面白かったですよ。

お話の中心は保養地の別荘(?)の家主、ラムジー夫妻でありまして。昔気質の夫、気配りな妻、幼い子供たち、そして晩餐会に招待される客人たちの織り成す風景ですな。
ただし。
そこまでやるかぁ、と思うぐらい、それぞれの心の奥底の感情の揺れや、表面と内心との確執やらを、細かく描写してまして。おかげで1日の経つのがゆっくりなこと。その途中で挫折してしまいそうですな。

で、お話の中心になってた、すっかり主人公やと思ってたラムジー夫人は、第2部ではお亡くなりになりまして。この第2部が一番短いのに10年の歳月を描いてるんですな。そのバランス感覚、めちゃくちゃやな。ちなみに第1部だけで全編の半分はあります。

で、第3部が10年後と。客人であった画家の(絵を描いてるだけ?)リリーが中心となって、10年前に果たせなかった「島の灯台へ行く」家族を見守る、という話。しかし、リリーの思いでの中心はやっぱりラムジー夫人で、というところがややこしくってね。結局、主人公はラムジー夫人ということになるのかな。

最初読んだとき、この夫妻のモデルはヴァージニア・ウルフ本人やないかと思ったんですが。映画で観たウルフ夫妻の印象とダブるところが多くってね。ところが巻末の年表をみると、どうやらヴァージニアの両親がモデルらしいんですね。
厳格で昔気質、男は働き女は家にいるものと思っている。他人に気を使うのは苦手。だが他人の間違いや思い込みには容赦がない。自分の著作(作家なのか)には自信を持っているが、それが世間でどのように受け入れられるかを常に気にかけている。滑稽なくらいに。
対する夫人は気配りこそが人生の最大の価値のように思っていて。周囲の人もその魅力に引き込まれてしまう。しかしいろんなことに気を配りすぎるあまり、一つのことに集中もできないよう。

その他の登場人物も(子供も含めて)どっかバランスを崩しそうなところで、なんとか持ちこたえてるって感じがしましてね。
なんというか、色のない線画の詳細画を見てるような、そんな気分にさせられましたな。

人間だれしも、どこまでも突き詰めていくと、どっかに説明でけへんような、バランスを崩したところってあると思うんですけどね。それをここまで細かく描いてしまうとは。やっぱりどっかオカシイところがあったんやろな、ヴァージニア・ウルフ。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tacobu.blog13.fc2.com/tb.php/1054-4454eac2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック