たこぶ・ろぐ −日本一お気楽な50歳−

【サンキュー、ジーヴス】P.G.ウッドハウス(森たまき訳・国書刊行会)

もう何冊目か忘れてしまったなあ。ジーヴス+ウースターもの。読んだ順番と書かれた順番はもうメチャクチャになってるのです。というか、日本で翻訳されている順番もあっちこっちらしいから、「最初から系統立てて」なんて読み方はもともと無理というものかな。まあ、そんなにきちんと読むようなものでもないから、どっちでもええんですが。

で、これは著者にとってははじめての「ジーヴスもの」の長編だったそうです。で、手短に感想を書くと、今まで読んだなかでは一番面白くなかったなあ。いや、ほかのものが高いレベルで面白いので、それと比べということですけどね。
まずもって、この話の一番のユーモアというか笑いのツボが、「黒人の楽団」というところにあるんですね。訳者のあとがきによると、黒人音楽を演奏するために、それっぽくみせるために、白人プレーヤーがわざと顔を黒くぬって演奏するっていうのがあったそうです(そういえば、日本でもかつておりましたなあ、そういうグループ)。
で、「白人がわざわざ黒人のまねをする」という時点で、すでに笑いのツボに入っているらしい。
いまや、そんなことではおかしくも何ともありませんね。
そういうわけで、ほかのこまごまとしたユーモアはさえているんだけれど、肝心の中心になるツボが笑えない。ってことで面白みも半減、というわけです。
これが書かれたのは戦前のことらしいから、まあその辺は考慮しても、ですけどね。
これがはじめての長編であるにも関わらず、翻訳が後回しになったのが納得できます。

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