マーラーが好きだ。だから昼休みに聞くことにしているMP3プレーヤーにも1曲入れている。それが交響曲第9番だ。
よく知られているように、マーラーは「第九」を書くと死がやってくる(ベートーベンやブルックナーがそうだったように)と思い込んでいたので、9番目の交響曲に番号をつけず「大地の歌」という題名だけにした。
そして死を免れたので(?)安心して第9番の交響曲を書いたということだ。
他の曲と同様、長い長い曲である。第1楽章だけで25分はある。僕がいつも聞いているのはバルビローリの指揮したベルリン・フィルの演奏だ。昔から名盤の誉れ高いものである。これがどこかの輸入CDで、1枚もので格安で売っていたのを買ったのだった。
ともかく、美しくも複雑な曲だ。一般に思い浮かべる交響曲というイメージとはかけ離れているような気がする。だいたい第1楽章がまるで緩徐楽章のようなイメージだ。あるいは聞きようによっては、何かの映画のテーマ音楽のようにさえ聞こえてしまう。それくらい甘ったるいメロディ。
と思っていると、突如音楽は展開を始めて、気がついたら大オーケストラの咆哮になったりするのだな。
あちらこちらからいろんなメロディが錯綜し、それが絡まって燃え上がっていくような曲。よくもこんな曲を書けたものだ。
大オーケストラを駆使して、甘美なメロディ(しかもセンチメンタリズムに陥ることなく)をこれでもかと盛り上げていって。いやあ、名曲だ。
ただ難点があって。とにかく長すぎるので、仕事の昼休みの間に全曲を聴くことは叶わない。2日に分けて聞くしかないのだな。最初の楽章からちょっとずつ顔を出すモチーフが、終楽章で成就する(という気がするのだ)のに2日かかるのは、まあ仕方のないことか。
それに、1つの楽章を聴くだけでも、いい曲だなあという気分には浸れる。生きててよかった、と思うのだ。
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