まあそんなに気合いを入れて読んでどうするんだというのもあるんだけど。ともかくまた、読むのが楽しくなってきたので。
村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」は、文庫で上下巻。けっこうな分量である。読み通すのは正直苦労したな。
「世界の終わり」という話と「ハードボイルド・ワンダーランド」という話が同時進行的に、というか1章ずつ順番に並んでいる。読むときはそれを同時に読むので、まるで連続ドラマを2本、続けて見ているような気分だ。
そして、舞台設定も小説の性格も全く違うように見えるふたつの話が、どことなく同じキーワードで結ばれていって。さて、この結末はどういう風に捉えたらいいのだろう。
前に「アフターダーク」を読んでいたので、途中から何となく結末めいたものが、おぼろげながら想像できてしまった。その想像は当たっているようなハズレているような。でもこれは推理小説じゃないから、当たっていようがハズレていようが小説の価値としては変わらないのではないかと思うなあ。
どちらの話もSF的というか、ちょっと現実離れしているんだけれど、「ハードボイルド・ワンダーランド」の方にはやたらと固有名詞がでてくる。それにこの話の舞台は間違いなく東京。だからちょっとフィクションっぽいなあと思って読んでいると、急に現実世界に引き戻されるような(それも半ば強引に)不思議な感覚に包まれつつ読んでしまうのだ。
ずっと読んでいたら、昔読んだ安部公房の「壁」を思い出した。細かいところはもう忘れてしまったけれど、あの小説の不思議に現実的でない部分と不思議にありそうな部分というのが、ダブってしまう。そういえばこの小説のキーワードに「壁」というのがありそうな。そして二人ともカフカに影響を受けているみたいやし。
高橋みどりの「久しぶりの引越し」を図書館で何気なく手にとってみて、何となく借りてしまったのは、やっぱりちょっと心が荒んでいたというか、ホッとするようなことに出会いたい、癒されたいと思っていたのかなあ。
まあよくある(よくあるのかどうか知らないけど。時々見かける)フォトブックというのに近いかなあ。スタイリスト高橋みどりさんの、「引越し」というのはちょっとひっかけで(たしかに引越しはしてるんだけど)、そのライフスタイルをちょっと紹介するというような本。
女性の一人暮らし(だと思われる)で、どのようにステキに暮らすか。シンプルにしかも快適に。
そこには自己という物が大切なのだな。でもそれを正面きって主張されるとちょっと困ってしまう。昨今の「ロハス」みたいにね。
そこまで行かないところが気持ちのいいところ。
こういう本はもちろん女性にターゲットを絞ってるんだろうけど、僕は好きやなあ。シンプル快適を目指すおばはんとしては。
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