「音は高めにとって下さい」とよく言われました。普通に歌っただけでは音は下がっていくと、高校時代から教えられてきました。確かに、ひとつの音を長く伸ばしていると下がりやすくはなるようです。でも「高めにとって下さい」と言われて、直るものでもないんですよね。
一番ナンセンスなのが「この音が低いので、特にこの音だけは高めに歌って下さい」なんて言われること。
「音をとる」のところでも書きましたが、あるひとつの音だけを取り上げて、正確に音を出してもあんまり意味があるとは思えません。でも歌い手の中には、「注意する音」とかいって、「下がりやすい音」に上矢印や丸印なんかをつけてはる人が結構居てはります。わたくしも学生時代よくそうしていまして、楽譜には矢印がいっぱいでした。ところが、そんなことしてたら、その音を歌うとき緊張して、かえって変な声になるんですね。逆効果です。

ある「音」が下がりやすい、とかいうのは、ほんまはあるかも知れませんね。「声のチェンジ」というのも感じるときはありますし。(チェンジの音は下がりやすいらしい)
でもねえ、「正確な音程で出して下さい」やったらまだわかるけど、「高めに出して下さい」っていうのはどういうことなんでしょうかねえ。「思ってるよりちょっと高めに歌うと、きれいに聞こえます」とかいう人も居てますが、ほんまなんでしょうか。昔、オーケストラと競演した声楽科の先生が、「オーケストラとやるときは、楽器の音程よりちょっと高め位を歌うと、よく聞こえるのよ」と言ってはりました。オーケストラの音に声が埋もれないようにする技術なんでしょうが、まあ、ひとりで歌うぶんにはアリかもしれないですね。でもそれで何人もの合唱となると、どうでしょう。隣の人より「ちょっと高めの音程」でみんなが歌ったら、崩壊するのは目に見えてますね。

「高めに」というのは、「人間の感覚では、音は低めに感じてしまうものなのだ」という考えに基づいているような気がします。その考えには科学的な根拠があるんでしょうか?

声楽を習い始めて、「音程は高めに・・・・」と思って歌っていたら、「思ったとおりの音程でいいのよ」と言われてしまいました。よけいな力が入っていると、音程が不安定になるんだと。音程を「保とう」として、腹筋に力を入れて緊張していると、かえって音程が不安定になるんですね。耳がいい人は、その音程を聞いてさらに微妙に調整するんでしょうが、わたくしにはそんな能力はないようで。何しろ、歌っているときは声を出すことに必死なので、「微妙な調整」などをやってる余裕もありませんでした。ところが、リラックスした状態が続いていると、不思議と何もしなくても音程は安定するんですね。自分でもびっくりです。「体は何もせず、頭でイメージしていれば音程は下がらない」へぇ〜。こっちの方が簡単で楽ちんです。

何気なく音を出していると下がっていくのは事実なわけですが、音が下がる要因は「人間の根元的な能力の欠如」以外の所にあると思います。筋肉が緊張しすぎているとか、逆にゆるみすぎてるとか、どこかにストレスがかかっているとか、集中力が欠けているとか・・・(要するにリラックスしていないってことだと思います)。そういういろんな要因を探り出して、音が下がらないようにするのが、結局は簡単なのではないかと最近思っています。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tacobu.blog13.fc2.com/tb.php/199-13d32fc1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック