どうもね。最近読んだ本は、ちょっとハズレが多い。
【カッティング・ルーム】ルイーズ・ウェルシュ(大槻寿美枝訳・ハヤカワ・ミステリ)
ゲイの競売人リルケが頼まれた、富豪の遺産の処分。故人の老いた姉は、屋根裏のコレクションはすべて廃棄してほしいと頼む。リルケが入ったその部屋には、大量のポルノ本。そしてそのなかに、何枚かの写真を見つける。そこに写っていたのは、依頼人の弟、つまり故人その人と、今まさに首を掻き切られた女性。これはトリックか。リルケはなにかに取り憑かれたように真相を探る。
「英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作」なのだそうだ。へえ。こんなんが。と言うたら失礼やけど。
「ゲイの競売人」という設定が、まあ現代的ではあるけれど。途中になかなか生々しい場面もあるけれど。それが印象に残ってしまうようでは、「推理小説」という範疇では失敗なのではないかと思うのです。だって、トリックというか(そんなものはあんまりない)そういう「推理小説としての楽しみ」があんまりないのだな。ま、そもそもの設定が、殺人事件とかがあったのかどうかも分からないわけで、そのあたりからもう、推理小説として読むのは間違いなのかもしれないなあ。この犯罪の(あったのかどうか)雰囲気、暗い世界の雰囲気(ポルノ書店やドラッグの密売人など、目白押しだ)を楽しむ小説なのかも。で、それが最優秀に選ばれる英国推理作家協会というのは、どんなんなんだろうという、そっちの興味がわいてしまうのでありました。
【道】ルイス・サッカー(幸田淳子訳・講談社)
「穴」はおもしろかったな。この作家の。少年更生施設(というのは、実は表向)での穴掘りに従事する少年達の物語。そして脱出劇。穴を掘らしている所長の秘密。少年同士の不思議なつながり。
で、これはその「サブ・ストーリー」。収容所施設での生き方や考えかたや暮らし方を、少年の一人であった(「穴」にも出てくる)スタンリーが回想する。
「穴」を読んでなくても楽しめる、とあるけれど、やっぱり「穴」は読んでないとね。楽しみが10分の1ぐらいになるんじゃないかな。続く「歩く」も、おもしろそうなので、また読もうと思っている。
【青年のための読書クラブ】桜庭一樹(新潮社)
聖マリアナ学園にある「読書クラブ」の部員が、代々書いてきた「裏聖マリアナ学園事件簿」という体裁をとっている。「代々」というのはおかしいか。時々起こる謎の事件について、「読書クラブ」のメンバーだけが、その真相を知っていて、それを書きとめておく、その書きとめてたもの。100年に渡る聖マリアナ学園の、年代記のようなものになっている。過去から未来までの。
昨年の直木賞受賞作家の作品だから、どんなんを書くのかなと思って読んでみたんですけど。初めの印象は、「こんなんでいいんですかぁ・・・・」
表現があまりにもしょうもない。文章の書き方も、どうも中高生が、携帯で話しそうな感じ。つまりは、小説として読んでいると、なんだかへなへなっとなってしまうのだ。内容がそれに応じて「へなへな」ならバランスもいいんだろうけど、本編はちょっとどろどろした部分もあったりして、あるいはちょっとSFっぽかったり、伝奇物ぽかったりするのに、文章は「へなへな」なので、子供の話を聞いてるような気になってきてしまうのだ。たとえや修飾語も、とってつけたようなものばっかりで。どうしましょう。
話の展開はとても早い。で、紆余曲折もいっぱい。謎も含む。まるで連続もののドラマを見ているよう。ああ、ドラマっぽく書いたらこうなりました、なのか。時々どきっとする、女の子同士のあれやこれやがあったり、それについての考察があったり(その考察もどこかで見たような聞いたようなものの丸写しで、新鮮さもない)するのも、ドラマっぽい。
最後まで読むのはどうかと思ったけど、ともかく最後まで読んで、でもやっぱり納得はできなかった。ああ、これは、作家桜庭一樹が書いているのではなく、この読書クラブの、女子高生が書いているのだ、と思って読めば・・・・・それでも限界はあるな。
学園物といえば、恩田陸のいくつかを思い浮かべる。それに比べると・・・・・比べたくもないぐらい。この作品だけ、なのかなあ。ちょっと心配。桜庭一樹が、じゃなく、直木賞が。
【カッティング・ルーム】ルイーズ・ウェルシュ(大槻寿美枝訳・ハヤカワ・ミステリ)
ゲイの競売人リルケが頼まれた、富豪の遺産の処分。故人の老いた姉は、屋根裏のコレクションはすべて廃棄してほしいと頼む。リルケが入ったその部屋には、大量のポルノ本。そしてそのなかに、何枚かの写真を見つける。そこに写っていたのは、依頼人の弟、つまり故人その人と、今まさに首を掻き切られた女性。これはトリックか。リルケはなにかに取り憑かれたように真相を探る。
「英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作」なのだそうだ。へえ。こんなんが。と言うたら失礼やけど。
「ゲイの競売人」という設定が、まあ現代的ではあるけれど。途中になかなか生々しい場面もあるけれど。それが印象に残ってしまうようでは、「推理小説」という範疇では失敗なのではないかと思うのです。だって、トリックというか(そんなものはあんまりない)そういう「推理小説としての楽しみ」があんまりないのだな。ま、そもそもの設定が、殺人事件とかがあったのかどうかも分からないわけで、そのあたりからもう、推理小説として読むのは間違いなのかもしれないなあ。この犯罪の(あったのかどうか)雰囲気、暗い世界の雰囲気(ポルノ書店やドラッグの密売人など、目白押しだ)を楽しむ小説なのかも。で、それが最優秀に選ばれる英国推理作家協会というのは、どんなんなんだろうという、そっちの興味がわいてしまうのでありました。
【道】ルイス・サッカー(幸田淳子訳・講談社)
「穴」はおもしろかったな。この作家の。少年更生施設(というのは、実は表向)での穴掘りに従事する少年達の物語。そして脱出劇。穴を掘らしている所長の秘密。少年同士の不思議なつながり。
で、これはその「サブ・ストーリー」。収容所施設での生き方や考えかたや暮らし方を、少年の一人であった(「穴」にも出てくる)スタンリーが回想する。
「穴」を読んでなくても楽しめる、とあるけれど、やっぱり「穴」は読んでないとね。楽しみが10分の1ぐらいになるんじゃないかな。続く「歩く」も、おもしろそうなので、また読もうと思っている。
【青年のための読書クラブ】桜庭一樹(新潮社)
聖マリアナ学園にある「読書クラブ」の部員が、代々書いてきた「裏聖マリアナ学園事件簿」という体裁をとっている。「代々」というのはおかしいか。時々起こる謎の事件について、「読書クラブ」のメンバーだけが、その真相を知っていて、それを書きとめておく、その書きとめてたもの。100年に渡る聖マリアナ学園の、年代記のようなものになっている。過去から未来までの。
昨年の直木賞受賞作家の作品だから、どんなんを書くのかなと思って読んでみたんですけど。初めの印象は、「こんなんでいいんですかぁ・・・・」
表現があまりにもしょうもない。文章の書き方も、どうも中高生が、携帯で話しそうな感じ。つまりは、小説として読んでいると、なんだかへなへなっとなってしまうのだ。内容がそれに応じて「へなへな」ならバランスもいいんだろうけど、本編はちょっとどろどろした部分もあったりして、あるいはちょっとSFっぽかったり、伝奇物ぽかったりするのに、文章は「へなへな」なので、子供の話を聞いてるような気になってきてしまうのだ。たとえや修飾語も、とってつけたようなものばっかりで。どうしましょう。
話の展開はとても早い。で、紆余曲折もいっぱい。謎も含む。まるで連続もののドラマを見ているよう。ああ、ドラマっぽく書いたらこうなりました、なのか。時々どきっとする、女の子同士のあれやこれやがあったり、それについての考察があったり(その考察もどこかで見たような聞いたようなものの丸写しで、新鮮さもない)するのも、ドラマっぽい。
最後まで読むのはどうかと思ったけど、ともかく最後まで読んで、でもやっぱり納得はできなかった。ああ、これは、作家桜庭一樹が書いているのではなく、この読書クラブの、女子高生が書いているのだ、と思って読めば・・・・・それでも限界はあるな。
学園物といえば、恩田陸のいくつかを思い浮かべる。それに比べると・・・・・比べたくもないぐらい。この作品だけ、なのかなあ。ちょっと心配。桜庭一樹が、じゃなく、直木賞が。
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