三善晃「風のとおりみち」(児童合唱)

わたくしは児童合唱にはとんと疎いんです。子供の時に合唱をやっていたわけじゃないし。聞く機会もほとんどありませんね。自分から好んでCDを買うなんとこともしないし(自分が演奏するわけもないから)。
児童合唱というと、わたしらの世代はNHKの「歌はともだち」っていう番組で、半ズボンにハイソックスの集団が同じ口を開けてわーわー歌ってた(失礼!)のを連想してしまうんですね。うたってる曲もむかしの「みんなのうた」の曲だとか。
しかし、日本の児童合唱って進んでるんですね! わたしらでも歌いこなせないような曲を演奏してたりして。もうびっくりです。

「風のとおりみち」は谷川俊太郎さんの詩(ことばあそびうた、かな)に三善晃さんが曲をつけたもの。これはええ感じですなあ。言葉遊びと音楽がぴったりきてますね。かぞえうたで始まってかぞえうたで終わるっていう演出も(音楽だけ聴いてるとよく分からないけど)けっこう面白そう。なにより演奏者が楽しんでるのがいいですね。演奏してるひばり児童合唱団も溌剌としてて。歌って楽しいねんなあ。普段忘れてるけど(^◎^;)。



高橋悠治「自然について〜エピキュロスの教え〜」(児童合唱)

三善さんの曲はいわゆる普通の合唱曲ですけど、高橋悠治さんは児童合唱でも容赦なく自分の考えというか、自分の音楽の可能性を広げようとしてはりますね。いや、三善さんの曲も素晴らしい、音楽の広がりはあるんですけど。高橋悠治さんは全然違うアプローチの仕方をしはりましたね。楽譜を見てないのにえらそうには言えませんが、男声合唱の「回風歌」よりさらに自由に歌ってるみたいですね。ひょっとして、ほとんど音符らしいものがないのかも。
詩の内容が難しそう。みんな分かって歌ってるのかな、ていうのは疑問。でもそれでもいいのかも。何年か、何十年か経って「あの時歌ってたのは、こういうことやったのか!」と気がつく時っていうのもありますからね。そういうのを恐れず曲にするところがえらいと思います。



一柳慧「鎮魂歌」(男声合唱)

一柳さんの曲って、どうして暗いのが多いんでしょうねえ。「子供の十字軍」同様、聞いていて楽しい曲じゃありませんが、どっちかっていうと、わたくしはこの曲の方が好きですね。日本のことを歌ってるからかな。言葉を打楽器のように演奏しているようなところがあるんですけど(銃撃の音とかね)、楽器で演奏されるよりも恐ろしさが増しているような気がします。そりゃ、楽器で演奏した方が実際の「音」に近いんでしょうけど、声で「たかたかたかたか」っていわれると、怖いですよ。



林光「おとずれ〜トカトントンより〜」(男声合唱)

太宰治の短編小説を、佐藤信さんが詩にして、林光さんが曲をつけたというもの。楽しくてやがてオソロしき太宰治の世界が表現されてますなあ。この曲、楽譜は出版されていないんでしょうかねえ。ええ曲やと思うから、いろんな合唱団で歌ったらええと思うんですが。
原作を読むとさらに曲の内容がよく分かりますが、原作を知らなくても十分太宰治世界が楽しめます。きっと曲がいいから、言葉の内容が伝わりやすい曲になってるからでしょうね。といって、平板な歌じゃないですよ。歌い甲斐もあると思うなあ。終盤に向かって「トカトントン」がたたみかけてくるところなんか、演奏の仕方によっては怖さが迫ってくると思うねんけどなあ。
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