急に古楽が聴きたくなりまして。新年やからとか、最近の世間の喧騒に嫌気がさして・・・とかそういうことはないんですけど。時々、「むか〜し昔の」音楽が聴きたくなるときがあるんですね。

で、ルネッサンス音楽、といえばまず聴きたくなるのがデビッド・マンロウ。わが家には「ネーデルランド学派の音楽」という3枚のシリーズがありまして。これがわたくしの一番のお気に入りです。vol.1が「世俗歌曲集」、vol.2が「器楽曲とミサ曲」、vol.3が「モテット集」になってます。

デビッド・マンロウの名前を初めて知ったのは、どっかの雑誌(レコード芸術やったか)の1977年末に出された号に、柴田南雄さんの選んだ「名演奏家77」とかいう特集がありまして、その77人の中に選ばれてたんですな。そのときの選定の基準が「1977年現在、先進的な活動をしている演奏家」というものやったと思います。当然、物故した演奏家は省かれていたんですが、唯一その前年に33歳の若さで自殺したマンロウだけは例外として選ばれてました。

もともとはファゴット奏者だったそうですが、古楽器をほとんど独習でマスターしたそうで。よっぽど才能にあふれてたんでしょうなあ。ロンドン古楽コンソートを主宰して、亡くなるまでの10年足らずの間に数々のレコーディング、テレビやラジオの番組の企画などを精力的にこなしていたそうです。彼のおかげで古楽が「面白いもの」として認識されたという人もいますね。

「ネーデルランド楽派の音楽」と題されたこの3枚のレコード(「フランドル楽派」という言い方の方が一般的のようです)。彼の企画力が活きてますね。レコードの1面ごとにひとつのステージを構成してるような。スタジオのレコーディングなんやけど、まるで演奏会に行ったような気になります。「世俗歌曲集」では、同じテーマを使った別の曲を何曲か並べて(楽器編成も変えて)飽きさせません。「器楽曲」では、当時としては珍しかった楽器を、いろんな編成で聴かせてくれます。「ミサ曲」では、曲ごとに違う作曲家のものを並べてバラエティに富んだものになってます。

もちろん、企画がいいだけじゃなくて演奏のレベルも素晴らしいです。なんといってもリズム感がいい。変な言い方やけど、ルネッサンス音楽が「現代的に」響いてきます。シンコペーションとか変拍子とかが、すごく生き生きと表現されていて。

さらに1曲ずつの解説もマンロウ自身が書いていて、聴き手が古楽にハマっていくように(^◎^;)できています。これはマンロウの他のレコードでも同様のようです。わたくしは他にデュファイのミサのレコード(ミサ曲と、その元になったシャンソン、器楽曲が一緒になってる)と、「ゴシック期の音楽」というCD(3枚組のレコードから1枚のCDに抜粋したもの)を持っていますが、どちらも詳しい曲の説明が書いてあって、知識欲も満足させるようになってます。古楽の普及に捧げた生涯、だったんですね。今生きてたらどんな企画でどんな演奏をしたんでしょうか。

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