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【影の獄にて】L・ヴァン・デル・ポスト(由良君美・富山太佳夫訳・思索社)

映画「戦場のメリークリスマス」の原作ともなった、ヴァン・デル・ポストの作品。

クリスマスに旧友のローレンスを招くことになった「私」。ローレンスとの会話が3つの物語となっている。

第1話「影さす牢格子」は、ローレンスが語る、日本軍の収容所での日本軍軍曹ハラとのエピソード。終戦後、戦犯となって絞首刑となるハラに会った時の話。

第2話「種子と蒔く者」は、「私」がローレンスに語る、ふたりの共通の知人であるセリエの話。前半はセリエ自身が残した告白。後半は「私」が見た、セリエが収容所で起こした行動。そこに一つの不思議な符合を感じとる「私」。

第3話「剣と人形」は、ローレンス自身の告白。ただ一度の出会いで忘れえない思い出となった、女性とのロマンス。

さて。
この3つを並べると、第3話のみが色合いが違いすぎて、違和感があるのは確か。前2話は、日本人と英国人(南アフリカの出身ではあるが)との意識の違い、その上での共通項、反発し合いながら感じとるシンパシーが一つの流れになっていると思えるのだけれど。

第2話の話の流れから、なんとなく横道にそれる(もともとそうではなかったかもしれないが)印象が出てきてしまう。第2話はいろんな見方ができるだろう。1話の続きとして見るなら、後半のセリエの行動と自己犠牲の精神、それに感服するヨノイの葛藤のようなものを読み取れるが、もうひとつの流れとして、セリエの弟の蒔いた種がひとつの実となって、別の形で誰かの心につながっていく・・・という、どこか神秘的な話にもなっていく。

結局はそれが言いたかったのか。第3話まで読むと、そう思えてくる。それぞれの話は面白いんだけど。
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コメント:

No title

お久しぶりです。今の私に直球ど真ん中でストライクのエントリーありがとうございます(^^)
なるほど、確かに、種が実に・・・著者が納めたかったことなんでしょうね。
2話が終わって納めどころが分からなくなって、男女のロマンスに頼った気がしなくもない締めの3話で、横道にそれたままの方がおもしろかった気もします(って、はまってしまった者が言うことじゃないかもしれませんが。。。)
では、では、よい3連休を!

No title

Fumikoさん(^◎^)
「戦場のメリークリスマス」の原作と書いていらしたので、興味を持って読んだわけです。
映画では描ききれていない部分も(当然ながら)あって、そこも面白かった。なるほど、あの「キス」はそういう深い意味を持っていたのか、とね。
映画と趣が違うということで、違和感を持つ読み手もいるかもしれませんね。これはこれで別のものとして楽しむのもいいと思います。

第3部は、なんでしょうねえ。ちょっと唐突感が拭えない気もします。ただ、こういう「一見、関係がなさそうな話に共通項を見出す」という流れは、嫌いじゃありませんけどね。読んだあとに想像力を持たせてくれるし。


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