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【ノートルダム・ド・パリ】ヴィクトル・ユゴー(辻昶/松下和則訳・潮出版社)

年末からずっと、この本を読んでいました。なかなか読み終わらないうちに年を越してしまったわけです。

「レ・ミゼラブル」と並ぶユゴーの名作、ということになっていますが、長さは3分の1ぐらいでしょうか。しかし物語の波乱の展開、という点では確かに「レ・ミゼラブル」と比べられるのも分かります。

ただ、内容ははっきり言って「暗い」です。悲劇的です。あまりにも過酷な宿命にさいなまれる哀れな人々。あれ? じゃあ「レ・ミゼラブル」と一緒?
いえ、あちらはどこか希望の光が見えるけれど、こちらはほぼ「真っ暗」な内容です。

よく知られている話のように思われますが、ディズニーのアニメは言わずもがな、実写映画の「ノートルダムのせむし男」と比べても、読んだあとは「映画はなんというハッピーエンドだったのだろう」と思わずにはいられません。

そして。映画になったものだから、この話の主役は当然カジモドで、その悲劇性が主題だろうと思っていたら、とんでもない。もちろん重要な登場人物の一人ではあるけれど、主役という雰囲気ではありません。カジモドが思いを寄せるジプシーの娘エスメラルダや、彼女に思いを寄せるあまり(今でいうストーカー)破滅の道をたどってしまう(ということなんでしょう)司教補佐のクロード・フロロや、その弟の放蕩者ジャン、お調子者の劇作家グランゴワール、などなどの登場人物がそれぞれ表に出てきて物語を作り上げていきます。

こうやって、複数の人物を登場させて、その時代の雰囲気を浮き彫りにする、というのがどうやらユゴーの得意とする手法のようです。時代の雰囲気を醸し出すために、時々脱線することもあるようですが(この作品では、ノートルダム寺院の周りの建築物の歴史の説明に、わざわざ1章を割いています。「レ・ミゼラブル」では、ナポレオンの戦法に相当な枚数を費やしていましたね)。

それにしても「重い」「暗い」話です。ディズニーのアニメを見て原作を読んでみようと思う人もいるかも知れませんが、相当覚悟して読まないと最後まで行き着かないでしょう。そして最後まで行き着いた時には「何、これ!」と叫ぶかもしれません。カジモドが活躍するのは物語の終盤、4分の1程度なのですから。
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