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【動物園の鳥】坂木司(創元推理文庫)

引きこもり名探偵・鳥井のもとに今回届いた依頼は、動物園内での野良猫の虐待。鳥井と動物園を訪れた坂木は、そこで鳥井が引きこもる原因ともなった中学時代の同級生に出会う。

ミステリーなんだけどミステリーっぽくない。だいたいこうじゃないかな、と思ったとおりの話になるし、なにしろ探偵役の鳥井の分析力と想像力が並外れているために、謎解きの面白さは「いやあ、感心感心」といった程度に収まってしまうのですね。

これ、シャーロック・ホームズとかを読むのと似てるなあ。

そして、とんでもなくひどい事件じゃないんだけど、解決の仕方も(つまり謎解きも)まあこんなものかなあという感じがしてしまうのです。
とても論理立っていて筋道立っていて、非の打ち所がない、というものでもない。

そしてそれ以上に気になるのが、推理する段階での、人の心の捉え方なんですけど。

主人公の探偵が引きこもり、というのがこのシリーズの面白いところなんだけど、シリーズを通しての解決すべきテーマとして、この引きこもり状況は打破できるのか、ということと、世話をしている友人の坂木(物語の語り手でもある)が、鳥井を独立させ、自らも独立できるのか、というところなんですね。

それが、事件を解決するごとに(正確には事件の依頼を受けるごとに)関わる人間が多くなってきて、引きこもりが段々と改善されていく、ということらしいです。

ううむ。
ちょっと、うまく行きすぎではないかなあ。

もうひとつ。
ひきこもりのきっかけになった中学時代のいじめに端を発して、語り手・坂木がいつも人間のあり方についてあれこれと考察するんですけど、それがもう、ずっと読んでいると、どこかのカウンセリング本を読んでいるかのような錯覚に陥りそうになるんですね。
それくらい、幾度もいくども「人間のあり方」のような考察が繰り返されるのです。

ちょっとしつこすぎではないですか。

まあ、人間の心の襞のようなものから事件を推理する、というやり方は最近では珍しいし、血なまぐさい事件は起きないから、こういう作品は貴重なのかな、と思いますけどね。
シリーズ完結編としては、ちょっとしんどかったです。
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