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4月の読書

ずっとサボっていた読書感想文。ゴールデンウィーク前半の最終日。どこまで書けるかわからないけれど、とにかく書いてみます。

【月の輪草子】瀬戸内寂聴(講談社)
出だしに「私はもう90を超えてしまって。。。」と出てくるので、さてこれは寂聴さんのモノローグかと思いきや、さにあらず。
これは、枕草子を著した清少納言が、90まで長命だったらどんな話を残しただろう、ということを書いた、というか、清少納言本人の口を借りて書いたもの。

紫式部との確執。使えていた中宮定子への思い。
もちろん寂聴さんの想像によるものだが、妙にリアリティがあって、しかも現代的。

いつの世も、女性の考えることは(年齢に関係なく)変わらないということか。
枕草子や源氏物語を読みたくなります。


【やかまし村はいつもにぎやか】リンドグレーン(大塚勇三訳・岩波少年文庫)
【ピッピ 南の島へ】リンドグレーン(大塚勇三訳・岩波少年文庫)

それぞれのシリーズの完結編(というか、これで最後という作品、だと思います)。

田舎町の子供の暮らしぶりをリアルに描いた「やかまし村」と、ありえないスーパーガール「ピッピ」とでは、話の内容は正反対といっていいでしょう。

ところが、この2作を並べて読んでも違和感がないのですね。不思議。

おそらく、作者の視点が、いわゆる大人の、上からのものではなく、子供の、低い目線でどちらも書かれているからなんだろうなとおもいます。まあ、ありきたりな表現ですけど。

視点がそこに定めれば、見える景色はどちらも同じ。そんなところでしょうか。
わたくしの好みでは、リアルな「やかまし村」の方に共感が持てますね。


【ミナの物語】デイヴィッド・アーモンド(山田順子訳・東京創元社)

デイヴィッド・アーモンドを読むのは久しぶり。
この作品は1998年の「肩胛骨は翼のなごり」の続編というか、スピンオフ作品。

「肩胛骨は翼のなごり」は、家の納屋に潜む不思議な生き物(浮浪者風なんだけど背中が膨らんでいる)と少年との出会いの話なんだけど、そこで出てくる変な女の子が「ミナ」。
で、このミナがどれくらいへんてこりんな人生を、その少年と出会うまでに過ごしてきたか、を書いた作品。

10年以上も前の作品の、更にその前のことを題材にしようとは。
しかも、「肩胛骨は翼のなごり」はファンタジーだったのに、この話はもっと現実的な(ちょっとは幻想的な場面もあるけれど)、「世間の常識に馴染めない女の子」の話になっています。

そして、こういう子に何故か共感が湧くのです。こんな人生をわたくしは歩んでいないけれどね。憧れ、かな。


【スモールハウス】高村友也(同文館出版)
贅沢ということ

著者は「Bライフ」を実践している自由人(と言っていいのかどうなのか)。
どんな人かは、ググってください。

主にアメリカの、小さな家で暮らす人達の紹介です。いやはや、実に小さい。

シンプルで慎ましやかな生活というものには昔から憧れがあります。さらに小さな住まい、ということについては、コルビュジェの「サンマルカンの休暇小屋」を知ってから、あ、いいなあと思っています(ぶたこには、一人で生きていくつもりか、と言われます)。

現代社会では、たった一人で生きていくのは無理でしょうが、この本に紹介されているような暮らしは不可能では無さそうに見えます。まあ日本ではどうでしょうか、ということはありますけど(まずもって、風呂桶はほしいなあ)。

でも、暮らし方の一つの提案としては、面白いんじゃないでしょうか。
そしてわたくしの憧れは、更に膨らんでいくのでありました。


【いのちのパレード】恩田陸(実業之日本社文庫)

久しぶりに恩田陸を読みました。短篇集です。

あとがきで「短編は苦手なので」などということを書いておられますが、どうしてどうして、それぞれちょっとずつ違う味わいの物語をこれだけ書けるとはみごと。さすが。

いちいちの作品はもう覚えてないんですけど(すみません。こういうことがあるから、感想文は早めに書くべしなんですよね)
好みで言うと「かたつむり注意報」が面白かったなあ。こういう「あるかもしれないしひょっとしたらなかったかもしれないけれどあったかもしれないようなはなし」は、この作者の真骨頂ですね。


【父の詫び状】向田邦子(文春文庫)

有名なエッセイなんだけど、今読むとちょっと古くさいというイメージは否めません。
何かの賞もとったはずですが、向田邦子さんはエッセイがそんなに得意じゃないんじゃないか、とさえ思いました。どうもわたくしにはしっくりこなかったです。申し訳ない。


【さよならドビュッシー】中山七里(宝島社文庫)
【おやすみラフマニノフ】中山七里(宝島社文庫)

中山七里さんが、ちょっとしたマイブームになりつつあります。
どちらも音楽家(を目指す若者)が主人公の物語です。ドビュッシーはピアニストを目指す高校生、ラフマニノフはオーケストラのコンサートマスターになった大学生。そして事件が起こり、というパターン。

題材が題材だけに、音楽の話がよく出てきます。その描写のうまさ。そして練習のことなど、このひとはなんて音楽に詳しいんだろうと思ってしまいます。音楽そのものの説明だけならまだしも、そこにいたる練習の厳しさ、はては日本の音楽教育の問題点まで。音楽の世界の端っこにいるわたくしも驚嘆するくらい。

しかし、最近この作者の板ビュー記事を読む機会があって、驚いたことに楽器はできない。音楽はこの作品を書くために(!)ちょっとCDを聞いた程度。あとは想像で書いてますとのこと。

いやはや恐れいりました。

ミステリーの醍醐味は「現実とちょっと違うところ」だと思います。ディティールの正確さがないと犯罪の現実味もなくなって、興味は半減してしまいます。そこのところをきっちりと押さえていますね。多少音楽に詳しいと自負しているわたくしも納得し、そして驚いてしまいました。この作品の誕生そのものがミステリーですね。


【もいちどあなたにあいたいな】新井素子(新潮文庫)

「もういちど」じゃなくて「もいちど」というところがミソ、なのだそうで。
今に至っても(これは最新作?)新井ワールドは健在なのがうれしいですね。

妄想のようなSFものなんですけど、その底にこの作者独特の厭世観や寂寥感が漂っています。
読んでいる間は、ははは、ひひひ、あほか、などと思いながら読んでいるのですが、読み終わったあと、なんとも言えない気分に浸ってしまって、しばらくいろんなことが頭のなかをめぐりました。

「幸せな時間がなければ不幸な時間はやってこない。だから不幸を知っている人はその分幸せな思い出も持っているはず」
これは前向きな言葉としてとらえたいですね。


ふぅ。小休止。
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