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【骸骨ビルの庭】宮本輝(講談社文庫)

文庫本で上下巻。読み応えはありましたね。

大阪の十三(じゅうそう、と読む)にある、通称「骸骨ビル」。そこには戦後、孤児として引き取られた人たちが居座っていた。不動産会社からの要請で、単身赴任でビルに住み込んで立ち退き交渉にあたることになった八木沢だったが、ビルの住人たちと触れ合ううちに考えが変わっていく。

筋書きはどこかできいたようなものかも知れませんが、舞台が十三というところが面白いですね。完投の人には馴染みはないでしょうが、なかなかディープなところです。

孤児を育てた二人の男のうち、一人は他界。その財産をめぐっての争いがそもそもの発端のようになっているし、他界した男の、孤児の一人に対する性的暴力があったのでは、という謎も絡んできています。
が、そういう争いごとは、どこか背景化してしまって、本題は、戦後の混乱期にどんな生活をみんなが送っていたのか、というところに落ち着いているような気がしました。立ち退き交渉をするはずだった八木沢の日記のような体裁をとりつつ、孤児たちそれぞれのエビソード(自分語りの)が挟まるという構成。

なにか大きな事件が起こって事態が急激に変わるとかいう、エンタメ的なことはほとんどありません。ただ粛々と時間だけが経過していき、骸骨ビルの住民たちと八木沢とのつながりが深まっていく、ということなんですけどね。

最近は、戦後の混乱期を庶民の目で見た話しというのは、流行らないのですかねえ。あまりこういう題材を訊いたことが無いようなきがするんですが。確かに、ちょっと胡散臭いところは出てきてしまうんですけどね。それを含めて書いたところが、良かったかなと思います。
強烈な印象を残す、というものとはちょっと違いますけどね。題名から連想する、あるいはカバーの絵から連想するような、まがまがしさはありませんので、ご安心を。
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