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【100回泣くこと】中村航(小学館文庫)

ベストセラーになっているし、映画にもなっているし。ということでどんな話かなと思って読んでみたのだ。
題名と映画の予告編からして、大したことはないだろうと高をくくっていたのだが。

予想以上に大したことはなかった。

昔からよくあるシチュエーション。彼氏と彼女が居ました。愛しあっておりました。結婚の約束をしました。で、彼女に病気が見つかりました。懸命な闘病の甲斐なく、彼女は死にました。ああ、悲しい。

で、それがどうかしましたか。

泣くシーン(なんだろうな)と思われる所では涙は出てこず。というか、「はい、ここで泣きましょうね」という作為が見え見えで鼻白んでしまうのである。
100回どころか1回も泣けないし、映画を見ることはないだろうし、ついでに帯に「号泣しました」と書いているゴスペラーズの歌を(あえて)聴くこともないだろう。

と、文句を100回(おっ)言いたくなる。
でもこれがベストセラーなんだよなあ。しかもロングセラーらしい。なんで?

まず。とても短いです。単行本ですが(僕の読んだのは文庫版)、1時間半から2時間ぐらいで読めてしまいます。お手軽です。内容は上記のとおりですから、お手軽に泣けます。
で、これだけお手軽な内容なので、主人公の背景はとてもとてもぼんやりとしています。彼が社会でどのような位置にいるのか、どのような人生を送ってきたのかは、ボオっとしたまま(ちょっとだけ、会社でのやりとりとかは出てくるけど)。これだけ主人公の姿形が曖昧だと、逆に読み手の想像力の中に主人公をおけるのかもしれません。おお、これ俺じゃん(ちょっと東京風に)なんてね。

そして、二人だけの世界が広がる。物語の多くはそこに行き着く。そこだけ。おお、これが俺ならかっこいいじゃん(ちょっと東京風に。意味はありません)。こんなセリフ聞いてみたいわあ(ちょっと京都風?)とか。

つまりはこれ、小説というより散文、あるいはポエムの延長に近いのだね。なるほど、これなら映画になりやすい。それらしい映像とそれに見合ったセリフ。

って、それって小説ではないでないかい。などと腹をたてるのは古臭い考えなのだろうか。やはりここは、このシチュエーションにどっぷりと浸かって「ああ、なんてかわいそうなんだ」と思って、号泣すればいいのだろうか。そんなことできないけど。

古臭ついでに言うと、こういう「背景の全く見えないドラマ」で、ただ恋愛してただ死んで、というのが受ける時代というのは、どうなんだろう。誰も周りの社会に対しては関心がないということの現れ、なのだろうか。あ、ちょっと小うるさいおっさんモードになってしまった。。。。。。
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