村上春樹の本って、なぜかうちの近所の図書館にはあんまり置いてないんですよね。このあいだエッセイ集「村上ラヂオ」を読んだんやけど。これが初めてのハルキ体験で。なかなか肩の力の抜けた面白いエッセイやったんで、小説も読んでみようと。

もともと「地震のあとで」という連作やったそうで。神戸の震災のことですね。でも表立ってというか、大きな要素として地震の話がでてくるわけじゃなくて。みんながあの地震を、実際に体験したりニュースで見たりと、そういう共通項がある、という前提だけが、なんとなくあるだけで。「地震が原因でこうなった」という話ではないです。

なんかね。6作の連作なんやけど。それぞれにつながりはなくて。ただ、地震があった、その同時代に生きてるってことが共通することかな。

しかも、いろんなことが起こるのに、それぞれの主人公の背景とか、どうしてそうなったのだとか、はっきりとした理由とか原因とかが、わからずじまいの話が多い。これは不思議な感覚ですよ。なんというかね。いままで自分が本を読むときに、一定の「結末」を期待してたことを思い知らされるというか。どんな事件にも原因があり、それが解明されていくっていう、一種の謎解きがあってあたりまえやと思ってるねんな。

ところが、実人生においては、はっきりとした原因がわからないことって案外多い。というより、ほとんどが原因とか理由とかわからないんだけど、なんとなく納得してわたしらは生きてるんですよね。

そんなことを考えだしてしまった。そうなると、ほら、もうすでにハルキワールドにつかまったも同然なんですね。

読んだあとに、ゆっくりと考える時間が持てるっていうか。いろいろ想像してしまう。うーん、はまってしまいそうや。
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